Vol.18

住宅ローンの審査って?

2016.11.19


みなさん、こんにちは。

 

みなさん、住宅ローンを借りるときには、事前に「金融機関の審査」があります。
審査の結果、住宅ローンが借りられなかったり、
借りられたとしても借入額や返済期間などに制約が出たりする場合があります。

 

・住宅ローンを借りることができるのか?
・希望通りの金額や返済期間で借りられるのか?
は審査を受けてみなければ、はっきりとは分からないのです。
では、どんなことが審査されているのでしょう?
民間の金融機関の場合、それぞれの銀行独自の審査基準が設定されているため・・・
分かりません!(キッパリ!!)

 

・・・って言ってしまうと元も子もないので、ちょっと調べてみました。
具体的な基準まではわからないのですが、傾向だけは分かった?ので、
今回お伝えしますね。

実は、国土交通省住宅局では「民間住宅ローンの実態に関する調査」
という調査を平成15年度から毎年行ってます。
平成27年度調査の結果は、今年の3月11日に公表されました。
結果報告書(PDF形式:関係するのは31ページです)

www.mlit.go.jp/common/001122119.pdf

調査期間は平成27年10月~12月で、1,249の金融機関が回答を寄せています。
調査内容は住宅ローンの新規貸出額、使途、金利タイプなど多岐にわたっていますが、
その中から「審査項目」の結果を取り上げてみましょう。

 

平成27年度の結果で、95%以上の金融機関が実施している審査項目の上位は
「完済時年齢」(99.3%)
「健康状態」(98.4%)
「担保評価」(97.8%)
「借入時年齢」(97.5%)
「勤続年数」(96.4%)
「年収」(95.6%)
でした。

みなさん、想像通りでしょうか?
これは、あくまでも「審査項目」ですが、その具体的な判断基準が気になりますよね?

 

■「完済時年齢」と「借入時年齢」
「完済時年齢」は、「80歳未満」989件(/1255件中)という金融機関が圧倒的に多いです。
「借入時年齢」で一番多いのは「65歳未満」303件(/1233件中)。
この項目は、みなさんにあまり関係ないかもしれませんね。

 

■「健康状態」
「団信加入が必要」という条件を挙げている金融機関が1108件(/1244件中)と
団信(保証会社の団体信用生命保険)加入時には、病院や通院の状況を告知する必要があって、

加入後(住宅ローン返済中)に、もしも病気で死亡してしまった場合、
その病気が加入前からで、本人が把握していたことが分かれば、
告知義務違反で保険金が支払われないで、ローンが残ることになります。
ということで、みなさん、住宅ローンは若くて健康なうちに申し込んでおいた方が良い
ということは間違いありません。

 

■「勤続年数」「雇用形態」
安定した収入がある人のほうが、お金を貸すほうも安心ですよね。
だったら勤続年数が長いほうが有利なのかな、とも思いますが…
勤続年数の条件を「3年以上」とする金融機関は366件で、「1年以上」が639件。
それよりも雇用形態で、「派遣社員は対象外」、「契約社員は対象外」とする金融機関が
どちらも半数近いので、派遣社員や契約社員には厳しいのが現実。
逆に言えば、「年収は低くても正社員で1年以上働けば大丈夫」という傾向のようです。

 

■「年収」
さて、気になる年収の条件ですが…
1209件の回答のうち、一番多いのは「150万円以上」(648件)、
続いて「100万円以上」(311件)、「200万円以上」(104件)、
融資判断のラインとなる年収は意外に低めって印象じゃないですか!?
もちろん、年収が条件をクリアしていれば、必ず希望の金額が借りられるわけじゃない
ってことは、覚えておいてください。

金融機関では年収に対する年間返済額の割合に上限を設けるはずなので、
それこそ、調査結果にもあるように「スコアリング方式で審査を行っている」(一部行ってる場合を含む)

とする金融機関が40.2%あります。
スコアリング方式とは、それぞれの審査項目ごとに点数を付けて、
その合計点で融資の可否を判断するものなので、年収以外のさまざまな条件をチェックして、
融資可能額を決めてるので、決して安心してはいけません!
 住宅ローンを借りるときの審査基準は金融機関によって違うので、
同じ条件でも、ある銀行ではオッケーなんだけど、ほかの金融機関ではダメという場合もあります。
まずは、自分の資金計画に無理がないかを自分で確認したうえで、
住宅ローンの内情に詳しい第三者=お金に精通した住宅のプロに相談して
アドバイスを受けることも考えてみてください。

 

「住宅ローンをどこで借りればいいのか迷っています」
そんなお悩みにズバリお答えするのが、お金の悩みを解決する『資金計画教室』

 

では、また。

 

 

追伸:

審査項目で、もうひとつ忘れちゃいけないのがあります。
「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」もとっても重要です。
アンケートでは、979件(77.5%)と、ほかに比べて比較的低いのですが…、
金融機関は住宅ローンの事前審査を受け付けると必ず信用情報機関に照会を行います。
自動車ローンやキャッシングといった住宅ローン以外の借り入れがあるか、
クレジットカードの支払いとか携帯電話の割賦で延滞がないかなんかを調べます。
多くのローンを抱えていることはもちろん、他のローンがない状態でも、
多くのカードを保有していたりすると(持ってるだけでですよ!)
その貸付枠分の債務があるものとみなされて審査されるので、
ここは、とっても注意が必要です。
キャッシング枠を0円にするといいなんて話も聞きますが…
住宅ローンの審査を受けるときには、持ってるクレジットカードを見直して
不要なクレジットカードは解約しておくことをお勧めします。
カードを解約してから、それらの収載された情報を金融機関が閲覧できるようになるには、
数ヶ月かかることもあるので、なるべく早く余裕を持って解約しておきましょう。
さらに、過去の負債の返済に遅延が発生したなどの金融事故があると、
最低5年間は履歴が消されないので、住宅ローン審査にはまず通らなくなります。
注意が必要です。